乙女ゲーム夢4
□いと愛ほし
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さらさらしたその金色の髪を指先に絡めて遊ぶ。
膝に乗った頭の重みが愛おしい。
好きなように髪を弄っていた手をふと握りこまれて私はふわりと微笑んだ。
「千景さん、起きましたか?」
「・・・・・・悪戯者め・・・・・・」
ぼんやりとした口調と眠たげな瞳。
その瞳に自分が映りこんだのが分かって嬉しくなってしまう。
「おはようございます」
そう告げた私の手を緩く引き寄せ、指先や手の甲、手のひらに唇を這わせた千景さんがその赤い目に笑みを浮かべて筋張った大きな手をのばした。
その手に引き寄せられるまま顔を千景さんに近づけると軽く唇が合わさって、胸がじんわりと熱くなる。
――――好き。
こんなに人を好きになれるんだって、驚いた位この人が好き。
気位が高く、自分に自信と誇りを持った千景さんが好き。
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