乙女ゲーム夢4

□宣戦布告
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「・・・・・・あのさぁ、総司。あれは女の子傷つくって。これ以上太ったら困るなんて言ったらあいつが今太ってるみたいだし」



「そう? そんな風に言ったつもりはないけど」



むいっとそっぽを向いてお団子をかじる。





・・・・・・腹立たしいんだよ。



どうして僕にだけあんなに怯えるんだか。他の幹部たちにも最初怯えてたくせに気づけば僕にだけ怯えて、扱いが天と地ほども違うんだから。





「はー、総司って馬鹿だよなぁ・・・あ! 俺の団子ー!」




「生意気言う子にはあげないよ」



「ほんとのことだろー? だって好きな子苛めるとかほんと・・・・・・」



「好き? 誰が誰を?」




「は? 自覚ないの? 総司、名無しさんのこと好きだろ?」



逆に驚いた顔で返されて僕は眉間にしわを刻んだ。




「・・・・・・考えたこともなかった」



「だろうなぁ・・・総司ってそっち方面うといっていうか興味ないっていうかさぁ」



心底呆れたように息をつく平助くんに口先がとがる。

「・・・・・・気になるんだよ。ただ、とても。僕に怯える癖に君たちに普通にして喋ってるのが腹が立って、苛々するから何か反応が欲しくて話しかけるけど俯いて顔強張らせるし。僕にも笑えばいいのに」




「だからさー。それが好きってことじゃねぇの? 俺だってよくわかんねぇけどさ」



平助くんの丸い目に見つめられて、自分で呟いた言葉に自分の望みを今更ながらに知った。




僕は彼女に笑ってほしかったのか。







「・・・・・・僕、彼女に怯えられてるよね」




「・・・・・・最初あれだけ殺そうと殺気出して、あれだけ意地悪言ってたらそりゃあなぁ」





いただき!と団子を強奪していく平助くんに怒る気力すら失って僕はぐぐっと眉間にしわを寄せた。




「・・・・・・声を聞くだけで怯えられるってどうしたら克服できるんだろう」

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