乙女ゲーム夢4

□ファーストキス!
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【斎藤くん】







「好きだ、付き合ってほしい」



そんな風に告白された。



風紀委員で誰もいない教室にいち早く登校してきたときの話だった。










普通に「おはよう」って挨拶して、今日も寒いけど頑張ろうねって話してたら名前を呼ばれて。

なんだろうと思って顔を上げたら告白された。


驚いて気恥ずかしくて嬉しくて、夢うつつでふわふわしたまま頷いた。










「帰るか」


「うん」



二人で並んで家までの道のりを歩く。
付き合い始めてから斎藤くんは家まで送ってくれるようになった。

周りから見たら初々しいんだろうななんて思いながらちょっと手が触れあっただけでもなんだか二人して照れてしまって・・・・・・斎藤くんも私が初めての彼女だって言ってたし、私ももちろんそうなんだよね。



「・・・・・・名無し」




「どうかした?」



突然ぴたりと足を止めて名前を呼んだ斎藤くんを振り向くと、斎藤くんがばっと私の肩をつかんでほんのりと頬を染めたまま意気込んで尋ねた。




「せ、接吻してもいいだろうか!?」


「え!?」



接吻!?




「え、えらく古風な言い方をするね…」



「! そ、そうだな……では、キスをしてもいいだろうか?」



若干落ち着いたらしく、それでも赤い頬のまま聞き直した斎藤くんを見上げて・・・・・・私は小さく小さくうなづいた。




「い、いいよ…」



「! で、では…」



どきどきする。

心臓が壊れそうなほど高鳴って、徐々に近づいてくる斎藤くんの顔を間近で見て慌てて目を閉じた。


外なのに、とかいろいろ思いながらも唇に触れた感触にきゅっと胸を掴まれたみたいな感覚を覚えて。

離れて行った斎藤くんの気配を感じて、どんな顔で見上げたらいいんだろうと思いながら見上げたらひどく嬉しそうな斎藤くんの顔が見えて私もなんだか嬉しくなった。







(斎藤くんとファーストキス!)


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