乙女ゲーム夢4
□手塩にかけて
2ページ/3ページ
「ねーぇ?」
「なんですか、沖田先輩?」
図書委員会の雑務を片づけていると目の前に沖田先輩が座ってさっきから何くれとなく話しかけてきていた。
それを本気で相手にするでもなく、かといって邪険にするでもなく話していたらくんっと髪を引っ張られた。
「ちょっと。邪魔しないでくださいよ」
頬をふくらませて抗議すると沖田先輩はチェシャ猫みたいな笑顔でにこっと笑った。
「いいね、そのナチュラルな反応。癒されるなぁ」
「い・・・・・・まぁ、そうですか。それならいいですけども」
「君さ、僕と付き合わない?」
今日はいい天気だね、と言うのとさほど変わらないテンションでそう聞かれて私は、は、と口を開けた。
この人は今何を言ったんだろうって。
「あれ、聞こえなかった? もしかして耳つまってる?」
「つまってません毎日ちゃんとお掃除してます! じゃなくて! あの、今…」
「うん。僕と付き合ってほしいんだ。僕、君のことが好きみたいなんだよね」
.