乙女ゲーム夢

□意地悪
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「名無しさんちゃん」







「ひゃあ!」


 背後から飛び出してきた腕に後ろから抱き締められて私は変な声を出してしまった。





「お、お、沖田さん! 気配殺して近づいてこないでください!」






「えー、だって君の反応がおもしろいからさ」





「!!!」






 またからかってる!






「それにしても「ひゃあ」なんてかわいらしい声だすよねぇ。もっと悪戯したくなるよ」
「けっこうです!」





「遠慮しなくていいよ。僕いまヒマだから」




「仕事もらってきてください!」





「やーだ」




 意地の悪い笑顔に胸が高鳴った気がして自分で否定する。




 そんなことない! ぜったいない!





「どうかした?」










「……なんでもありません!」










「そう? あ、そうだ。いまひま?」




「え?」



 意地悪な笑顔がふつうの笑顔になって、私はすこし戸惑いながらもうなづいた。



「ひま、です……」



「じゃ、僕といっしょにお団子食べに行こう」




「……お団子?」



 沖田さんと?


 すこし警戒しつつ、私はこくりとうなづいた。




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