乙女ゲーム夢

□ふしぎな人
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「おや」






 ディスプレイに飾ってある花束に目をとめて、しばし立ち止まった。


「……ずいぶん、キレイな花束ですねえ」


 それにセンスもいい。

 花の状態もすごくよく思えて、目利きの従業員がいるのか、それともセンスのいい従業員がいるのかと思いながら時計にちらりと視線をやる。できれば店の中に入って見てみたいものだが、時間がそれを許してくれそうになかった。



 いた仕方ない、か……。



 ため息をひとつ落として止めていた足を前に踏み出した。
















「……?」


 私は店の前で足を止めていた男性をどこかで見たことがある気がして、首をかしげた。


 なんで見たことがあるんだろう?





 お客さまじゃないし……もしかすると仕事関係の知り合い、かな?





 それにしてもなんだか雰囲気のある人だったなぁ、と思いながら目の前で彩られるのを待っている花に意識を戻した。





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