乙女ゲーム夢

□ダイエット
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「ダイエット、これでも大変なんですよ?」










いつも体型を気にしてるけど、流聖さんは別に太ってないと思うんだけどなぁ。










「あ、すみません。起こしましたか?」



ベッドに腰かけてタバコを吸う姿にきゅんとした。


「大丈夫、です」


へにゃ、と笑いかけると流聖さんは目尻を下げて笑いかけてくれる。








タバコを持つ指が好きで、吸わないように気をつかってくれていたのを止めるようにしてもらった。








「さて、コーヒーでも入れますか?」



重低音の声でそう言われて、私はあわてて起き出そうとした。けど。







「あ、あれ?」





立てない?





「ああ……すこし無茶しましたからね。起きれなかったら寝ていてください」





頬にキスが降りてきて、言葉の意味するところに気付いて顔が熱くなった。

















「流聖、さん」



「どうしました?」




手を伸ばしてふに、とお腹を触る。でも彼が言うほどにはお肉ついてない。





「んー、流聖さんがお腹気にしてるからたぷたぷなのかなって思ったんですけど」





 そんなことない。

 ひきしまったお腹の感触がある。








「……そのまますこし手を下げてください」











「?」




 言われるままに手を下げて……私は真っ赤になった。




「りゅ、流聖さん!」





「はは、あなたが悪いんですよ? かわいい寝顔を見せたあとでこんなことをするから」




 真っ赤な私を見て楽しそうに笑うと、流聖さんは灰皿にぎゅっとたばこを押し付けて火を消した。









「……まだ足りない?」







「……たっぷり愛してもらいました」




「ならよかった。でもね」




 耳元に唇が寄せられて、髪をすこしかきあげられる。鼓膜に直接ささやくように、流聖さんは笑いながら言った。

















「俺が足りないみたいです。
もう1ラウンド、いいですか?」


2010/03/06

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