乙女ゲーム夢

□玩具
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「来い、遊んでやる」






 帰ってきたと思ったらそれと同時に吐かれた言葉に私はこぶしを握った。








 ……拾ってくれたのは有難いんだけどさ! なんでそんなに私で遊ぼうとするの!?













「千景、べつに遊んでくれなくってもいいんだけど?」





「俺が遊んでやると言っているんだ。光栄だろう?」




 この、俺様!

 わがまま男!


 ぜったいぜったいそれ言葉が間違ってる!


 遊んでほしいんでしょうが!?

「……それはそれは嬉しい限りです」







「お前といると飽きん」








「そ。私はあんたの鼻にかかった声がいやで仕方ないんだけど」







 とはいうものの、なれとは恐ろしいもので聞くたびにイライラしてたその声もなれてしまうとなんだかクセになりそうな声だと思いはじめた。なんていうか……腰に響くというか。












「ふん、話を聞かせろ。……そうだな、まじ、とはなんだ?」



「……本気のこと」



「本気のことを、まじ、というのか」

「本気とかいてマジと読む、ってね。というかなんでそんな言葉知ってるのさ?」


「気づいてなかったのか。しょっちゅう口にしているぞ」


「え、まじで!?」


 言ってから口を押さえた。


 ほんとだ……。



「……愉快、だな。お前はどうしてなかなか……俺の退屈をまぎらわせてくれる」





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