乙女ゲーム夢
□口は災いのもと
2ページ/3ページ
「……」
むぅ、と口をとがらせてそっぽを向いていると目の前にお茶と団子がおかれた。……お土産まで買ってきてくれたらしい。
「で、なにがどうなって俺が姫になったんだ?」
「……」
ぜんぶ聞くぐらいなら止めてくれればよかったのに。
「……言わねぇ気か? だったら体に聞いてもいいんだぜ?」
すっとひざに置いていた手に土方さんの手がかぶさった。さわりといやらしくなでまわされて、あわてて手を引く。
「! な、なにするんですか!」
「俺がいねぇあいだに、あいつらとずいぶん仲良く話してたみてぇじゃねぇか」
余計なこと言ってねぇだろうな、と聞かれた。……姫ポジションは余計なことだろうか? 少なくともこの鬼副長が女を抱いた朝はすごくやさしい顔をしているということは言っていない。……どれほど私にやさしく甘い態度を取るかということも。
「……だって土方さん、私よりもキレイだし」
まさか土方さんに顔で勝とうなんて思ってないけどさ!
「なんだそんなことか。……だいたい、俺はキレイだって言われても嬉しかねぇよ。そりゃ女をほめる言葉だろうが」
「……キレイなものはキレイですもん」
「なんだそりゃあ……ったく、俺はべつにキレイだとかキレイじゃねぇとか気にしてねぇよ。……お前のことをキレイだとは思うがな」
「!」
ずるい……。
なんでこんな風に私の心をぎゅっとつかむんだろう?
「……キレイなのは腹が立ちますけど、私だけのものならキレイにこしたことはないです」
「……なるほどな」
無骨な手が肩に回されて、そっと引き寄せられた。
「……」
「っ、ば、バカ!どこに手を入れてるんですか!?」
「お前だけのモンだって確かめさせてやるよ」
「け、けっこうです!」
「そうかそうか、嬉しいか」
ひ、土方さんすごく楽しそうなんだけど!?
「ひゃう! め、めくらないでください!」
「すこし腰浮かせろ」
「だ、ダメですって! んっ」
「……安心しろ。俺が男だってことを、しっかり教えてやるよ。実地でな」
「女じゃねぇってことを、わかるまでその体に教え込んでやるよ」
「!!?」
さらに手を奥に進めながら笑う土方さんの色気に真っ赤になりながら、私は畳の上に押し倒されたのだった。
→おまけ(ただしとてつもなく下品かもしれませんので自己責任でお進みください)