乙女ゲーム夢

□浴衣
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顔が真っ赤になってわたわたと退路を探すが、いつのまにか背後に壁、正面にはグレイさん、顔の両側にはグレイさんの腕。




しかもちょっと着物が引っ張られて筋肉質な腕がちらちら視界に入ってくる。





……無理無理無理無理!





それに正面に、ぐ、グレイさんの綺麗な鎖骨が見えて色っぽい。


……私の顔は今さらに真っ赤だろう。



「ぐ、グレイさん?」


「名無しさん」


すっと耳元に唇がつくかつかないかというところに吐息を感じる。


ぴくりと体が反応した。



「っ」



「ん……」



「!!?」




ぺろりと耳を舐められ、そのままあむりと齧られた。




「ぐぐぐグレイさ〜〜〜ん…っ」


半泣きで腕を突っぱねたらグレイさんはくすりと笑った。



「……なんだ、感じたのか?」



「っっっ」


いつものグレイさんはどこいった!?


「着物って、脱がしやすいな?」


にこりと正面のグレイさんが笑う。


私は苦笑い。だって……そんな、まさか、ねえ?



「うううう、嘘ですよ、ね?グレイさん?」

「もちろん」

にこりと笑った顔の中で目だけが獰猛な獣のように色を変え、すぐに視界から消えた。






そのまま首筋に舌を這わされ、鎖骨にキス。






「っぁ」

自分の口から漏れ出た声に慌てて口を押さえるが、どうやら彼は気を良くしたらしくそのままちゅうっと吸い上げた。

「あっ」

声が漏れて、これ以上は逃げられないか、と諦めかけたその時。


「ああ、言い忘れたけど。似合っている、とても」



……グレイさんって、すごくずるいと思う。


END
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