乙女ゲーム夢

□ゆきさんと花屋さん
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「名無しさんちゃん!!」

「はい?」

久し振りに会った昔馴染み(といっても歳はかなり離れているのだが)にいきなりがっと手を掴まれて至近距離から見つめられた。驚きつつも平静を装い首を傾げる。


「お、俺の花屋でバイトしない!?」


「!したいです!!」

「ホント!?」


ぱあっと花が花開くように笑顔を作る彼に、変わらないな、と思いつつも困ったように返す。

「あ、でも大学が終わってからだとバイト行くの遅くなるし、花のことあんまり分かんないけど……いいですか?」


「もっちろん!時間は融通利かすし、花のことはいくらでも俺に聞いてくれれば教えるから!!」

このとーり、お願いします!!そう言って頭を下げられて慌てて返す。

「あ、頭なんて下げなくても!こちらこそよろしくお願いします!!」

大学に入って一年が過ぎようとしている時の話だった。
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