乙女ゲーム夢
□いじめっ子
1ページ/6ページ
夜に見回りに出ていたのは知ってた。
だって夜食におにぎりをいつもせがまれてたから。しかも「僕だけにだよ。他の人に握ったりしたらどうなるか……わかるよね?」なんてにやりと笑いながら言うものだから私は慌てて「作らせていただきます!」なんて返事をしてしまって、その頃から沖田さんが夜の見回りのときにはおにぎりを握るのが私の習慣だったりしたんだ。
でもまさか、こんな拾いものをしてくるだなんて思わなかった。
かわいい女の子。千鶴ちゃん。
彼女の存在を知って、私は自分が沖田さんに恋していたんだと気づいた。気づいた時にはもう遅かったみたいだけど。
.