乙女ゲーム夢
□肉体美
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●新八
「新八さんのさ……なんていうんだろ、あのどっしりした感じが好きでたまらないっていうか……」
ちょっと暑苦しそうな感じも別に嫌いじゃないし。
あの人が女の子の扱いが下手で良かったなと思う。
「……だってさ、新八さん」
「へ?」
「ばっ! そ、総司!」
声だけが聞こえてきて、私はさっと血の気がひいた。
まさか!?
慌てて障子を開くと顔を真っ赤にした新八さんと目があって私まで顔が熱くなる。
え……も、もしかして今の私の言葉って……告白、みたいな?
「あー、馬鹿らし。感謝してよね、新八さん」
「な、なななななにをだよっ?」
「そそそそそ総司!?」
「……知ってた? すっごい似た者同士、なんだよね」
総司は呆れた顔をして部屋を出ていってしまった。
残されたのは気まずい空気の私達二人だけ。
「……」
「……」
ど、どうしよ。
「あ、あのよ」
「! は、はい……」
「とりあえず……甘味でも食いにいかねぇか?」
照れた顔をして頬をかきながら言ってくれたその一言に、私はこくりとうなづいた。
「ぜ、ぜひ」
私たちの関係が一歩前進した日。
→平助