短い小話+ブラコン夢

□征陸智己
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「征陸さん! 大好きです!」




見上げて思いを告げたその相手に苦笑いをして頭を撫でた。





「ありがとな。嬢ちゃん」





ありえんだろう。




息子よりも年若い、子供といっていいような女の子に気持ちを告げられても困るだけだ。





そう、思っていたのに。





捜査中、俺を庇いあまつさえドミネーターを躊躇なくぶっ放したその娘に度肝を抜かれた。



いや・・・・・・凛とした横顔に呼吸が止まるほど射抜かれて。




そして、俺を振り向いて泣きそうな顔をして駆け寄ってきたその顔に。





「征陸さん! 大丈夫ですか……っ!?」





「ああ。かすり傷だ・・・・・・あんたのおかげで助かった……っ」




「っ、よかったぁ・・・・・・」




もうほとんど泣いているような顔で、俺の手を握り締めた。その、彼女に。





「・・・・・・負けちまったなぁ」





「え!? どこか痛むんですか!?」




慌てだした彼女に苦笑してその手を引き寄せる。




生身の手で、頭をくしゃくしゃとかき回して抱き寄せて。





「・・・・・・痛むのかもなぁ。久々だよ、こんな気持ちは・・・・・・」





(愛しさの芽が)

2014/11/1
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