短い小話+ブラコン夢

□企画もの・乙女
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【カミュ】






紳士的な笑みでいろんな女性からチョコをもらっているのを目撃して、私は一気に落ち込んでしまった。





―――――私からのなんて、いらないよね…。




そう思って、宝物のようにしてもってきた紙袋をぎゅっと胸に抱きしめた。






それなのに。





「あ、あの…」





「・・・・・・」




「・・・・・・出れない、んですけど……」




部屋のドアの前に立ちふさがるようにしたカミュ様に私は弱って声小さく抗議した。




「おい、さっさと貴様が手に持ったそれを渡せ」




「え!?」





片手を差し出されて思わず紙袋を背後に隠す。するとカミュ様の眉間にしわが寄った。それはそれは非常に不機嫌そうな。





「・・・・・・いい度胸だ」




「だ、だって…たくさん、もらってたじゃないですか…」




もごもごと口の中で抗議すると、彼は鼻でその言葉を笑った。




「そんなもの」




何を言うんだろう。

言われるんだろう。



ドキドキしていると、カミュ様はいっそ堂々と男前発言をした。





「お前のそれが欲しいんだ。他のものなどゴミ同然」







――――ゴミ、とか・・・・・・ひどい。



そう思う心と、素直に嬉しいと思った心と。




おずおずと紙袋を差し出すと、その手ごと抱き寄せられた。




「か、カミュ様!?」




「特別に、カミュと呼ぶ権利を貴様に授けよう」




「特別…」




「そうだ」




・・・・・・どうしてそんなに堂々としているんだろう。




不思議に思って彼を見上げると、どことなく優しい眼差しでカミュ様は私を見下ろし、優しい手つきで髪を撫でた。




「許す・・・・・・ずっと、見ていろ」




何を。




カミュ様を。




いっそ傲慢なほどなのに・・・・・・なぜこんなに嬉しいのだろうか。







「・・・・・・はい。カミュ」


(それはまるで主従のように)
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