遙か夢参

□リンドウ
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「君は僕の人形だ。僕の、僕だけの、人形だよ・・・・・・」







どれほど愚かかわかっている。





けれども彼女をこの世に繋ぎ止めた自分への罰なのだろう。




彼女は目覚めたが、全ての記憶を失っていた。




自分が白龍の神子であることも、リンドウとの間にあった何もかもを。












「リンドウさん、見てください! 桜の花!!」





雪のように儚い少女は華やかな笑みを浮かべて庭の桜にはしゃいでいる。




「綺麗だと思うかい?」




尋ねた私に彼女はきょとんと表情を変えた。





「リンドウさんは、綺麗だとは思わないんですか?」




「・・・・・・君の方がよほど綺麗だと思うよ」





リンドウの言葉のその白い頬が朱を帯びる。




愛しい。



その気持ちのままに、彼女を引き寄せ唇を奪った。




わずかな抵抗を押さえつけて甘い唇を貪る。




唇を離して、リンドウは低い声で囁いた。






「・・・・・・君は僕の人形だ」





こくりと頷いた白い首筋を再び引き寄せ、唇を塞いだ。



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