遙か夢参

□比翼連理
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友雅さんが私を好きだなんて・・・・・・夢じゃないのかな。






そう思って自分の頬をつねっても痛いだけで夢だという証拠にはならなかった。





それよりも明らかに、女房さんたちの視線が変わった。





―――あの子が橘少将殿の。



―――あんな子が?



―――神子殿のご友人だから。



―――藤姫様も懇意にしておられる様子だし。




―――でもなぜ。











――――なぜ、あんな子を?







「ふう…」



あかねが札探しに出かけている間、私はお留守番だ。



そして友雅さんも。



だから余計に・・・・・・余計に耳に悪い噂話が飛び込んでくる。



耳を塞いでも目を閉じてもそれは私を逃がすまいとばかりに追いかけてきて。



不釣り合いだとはわかってる。



でも。





それでも。



好きだ。



友雅さんが好き。



そして友雅さんは私を好きだと言ってくれた。



だから。





―――だけど。





本当に私でいいのだろうかという疑問は、まだ胸の奥でくすぶっている。



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