遙か夢参
□比翼連理
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「ええええ!? 名無しさんと友雅さんが!?」
呆気にとられたあかねの顔に気恥ずかしさを感じた。
「名無しさん! お前いいやつだな!」
「!」
感極まったように両手を握ってそう言った天真くんに首を傾げると、苦笑いでごまかされた。
「や、なんでもないんだけどさ。幸せにしてもらえよ」
「うん。ありがと…」
「幸せにするとも。しかしだね、その手を離しなさい、天真。むやみやたらと女性の体に触れるものではないよ」
「〜〜〜〜〜! お前にだけは言われたくねぇっ!」
がうっと怒る天真くんとは対照的に口の端に笑みを浮かべたまま友雅さんが私の肩に腕を回した。
「名無しさん、君もたやすく他の男に体に触れさせるものではないよ」
「え? え、えと・・・・・・は、はい」
「けっ、独占欲の塊なんて嫌われるぜ、友雅」
「他の男に取られるくらいなら、執着を示した方がよっぽどいいさ」
にこ、と微笑みかけられて私はふわふわした心地のままその身を任せた。
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