遙か夢参

□花盗人
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りん。







―――――りん。


















耳の奥に響く微かな鈴の音色に、後ろを振り返って、私は声をあげた。



「ねぇ、何か聞こえない?」



「はぁ? 何も聞こえねぇぞ?」



「鈴の音・・・・・・」



「そう、鈴の音。あかねも聞こえる?」



「あかねちゃんも名無しさんちゃんも、鈴の音が聞こえるの?」



「うん。鈴の音、が・・・・・・」












―――聞こえるの。










そう言おうとしたその瞬間、私はふっと意識を手放した。
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