遙か夢参
□私の王子様
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いつか王子様が迎えに来てくれる。
そんな風に思っていた私を迎えたのは戦場だった。
「な、に・・・・・・これ・・・・・・」
呆然と累々と横たわる人の山を見て私はくらりと眩暈を感じた。
「え…だって、今家でDVD見てて見終わってから寝てたのに……」
なんで、と音にならないまま唇でつぶやく。
頭上を矢が飛び回る。
それに首を竦めていると、足元の死体が。
―――――起き上がった。
「きしゃあああああ!」
「!?」
襲いかかられてびくりと体が固まった。
―――殺される。
ぞくりとした恐怖に背筋が粟立った。
その時。
ふわりとマントをひらめかせて。
颯爽と助けてくれたのは。
――――金髪碧眼の王子様だった。