遙か夢参
□触れ合い
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「・・・・・・名無しさん」
その声に名前を呼ばれるのが好き。
ベッドの中で、何をするでもなく寝ころびながら互いの温もりを感じる。
「・・・・・・あなたに触れられることが、こんなに幸せだなんて」
きゅっと指を絡ませて手を握られて胸がドキドキ騒ぐ。
「私も、天海に触れて幸せ」
にこりと微笑むとキスが一つ落ちてきた。
オッドアイの瞳が甘く微笑む。
それに微笑み返して、私はその胸の鼓動に耳をつけた。
とくとくと、自分と同じリズムで鼓動を刻んでいる。
「…髪の長い天海も好きなんだけど、短い天海も好き」
「この世界であんなに髪が長いと、邪魔になってしまいますからね」
「ふふ、ほんとだね」
とりとめのない話を出来るのが嬉しくて、幸せで。
私は天海の温もりを感じながら目を閉じた。
(夢のような現実)
2012/9/11