遙か夢参
□意外と積極的
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「お待たせしました」
「いいえ。さぁ、どうぞ」
差し出されたお団子を、ほくほくしながらぱくりと一口。
―――美味しい。
「美味しいみたいですね。よかった」
にこりと笑われて、私は頷いた。
「僕は一本だけで構いませんから、よければ他は全部食べてください」
「! いいの・・・・・・?」
「はい」
「! あ、りがと」
まぐまぐと必死に食べていると、沖田さんが私をじっと見ているのに気付いた。
「・・・・・・? やっぱり、欲しかった?」
「いえ。お団子が好きなんだなと思って。嬉しそうですから」
「・・・・・・美味しい、から」
少し気恥ずかしくなって俯くと、沖田さんの手が私の頬に触れた。
「?」
「蜜がついていますよ」
そう言って、沖田さんが私の口元をぺろりと舐めた。
「〜〜〜〜〜〜・・・・・・っ」
食べ終わった棒がぽろりと手から零れ落ちて、顔が一気に紅潮した。
「美味しいですね」
ふわりと微笑まれて私は必死にこくこくと頷いた。
(意外と積極的な)
2012/9/10