乙女ゲーム夢3

□裏切りの償い
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泣いて泣いて泣いて泣き疲れて眠って、目が覚めるともう日が高く上った時間だった。





「・・・・・・」




ぽっかりと胸に穴が開いたみたいだった。


でも。





「・・・・・・バカみたい・・・・・・私も、純一さんも」




枯れたはずの涙が、つぅと頬を伝った。





「いいわ。どうせ、哀しくて辛いのは私なのだもの。もう泣くのはこれきりよ」





お風呂に入ってすっきりすれば、もう大丈夫。


痛む心を無視することができる。




あんな人、恋人でもなんでもないのだわ。


ただの知人なんだから。





―――ただの、知り合いなんだから。




























気分転換に街中を歩いているときだった。


ショーウィンドウを見ていたら前から歩いてきた人にぶつかってしまって、私は慌てて謝った。



「ごめんなさい」



「いや、大丈夫・・・・・・あれ」



「え…?」



「驚いた・・・・・・名無しのお嬢さんだね」



「野宮の・・・・・・」



浮草のように掴みどころがなく、一目を引く美しさを持つ、野宮の嫡男・瑞人。




たまに夜会で見かけていた彼の存在に私はぺこりと頭を下げた。



「御無沙汰しておりますわ」




「うん。……ねぇ、少し時間はある?」



「え?」



「お茶でも、どうかな?」




その誘いに少し戸惑い、私はこくりとうなづいた。




「―――ぜひ」
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