乙女ゲーム夢3
□切な勘違い
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―――私は、気づいたらこの世界で生活していた。
ううん、たぶんちょっとずつ前の記憶がよみがえってきたから突然この世界にいる気分になっただけなんだろうけど。
ゲームの中だと思っていた世界で、登場人物たちと暮らす生活は最初はおかしく思ったものだけれど、今ではそれが普通だ。
―――平和だな。
そんな風に思っていたその瞬間。
「どわっ」
「きゃ、んっ」
「!」
突然天井?から人が降ってきて―――――原田さんとキスをした。
―――え?
「「あああああ!」」
「な、何者だお前!?」
大声をあげた永倉さんと平助、驚きながらもその娘と距離を取る原田さん。
その中で私だけが、今見た光景と目の前の女性に嫌に胸がドキドキしていた。
「きゃああああ! 生の原田左之助とちゅーしちゃった!!」
天井から降ってきたその人は名前を葉月と言った。
異世界からトリップしてきたという、はきはきしたかわいらしい女の子。
「あいつおっもしろいよなぁ、名無しさん」
「んー?」
「総司に怪しいから斬るって言われてもにこにこ喜んでるし」
「そうだねー・・・」
「どした? お前、元気ないぞ」
心配そうに平助に言われて私は苦笑を漏らす。
―――千鶴ちゃんがここに来るまで、もう少しかかると思ってたから心の準備が出来てなかった。
「なんでもないよ。……葉月ちゃん、かわいくておもしろいね」
「あー・・・・・・だよなぁ。左之さんと息あうみたいだし」
「・・・・・・」