乙女ゲーム夢3
□切な勘違い
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「お団子美味しいねー」
「さっすが左之! 太っ腹だな!」
「うるせぇ、新八。賭けに負けたんだから仕方ねぇだろうが」
「ははは、左之さんってばぼろ負けだったもんな!」
「てめっ、平助!」
「左之、ありがたく」
「うめぇぞ、原田」
「あーあー、斎藤も土方さんも美味そうに食いやがって……っ!」
「一本いただき!」
「げ、総司、俺の分がなくなったじゃねぇかっ」
今日の原田さんはころころ表情が変わって面白いなぁ、なんて思いながら私はその口元にお団子を差し出した。
「どうぞ」
「え・・・」
怒っていたのに虚を突かれたように原田さんがきょとんとした。
それを見ながら私はくすりと笑ってさらにお団子を差し出す。
「美味しいです、原田さん」
私とお団子を交互に見て、原田さんがぱくりと私の持つお団子を食べた。
「・・・・・・むぐ。うめぇ・・・」
わずかに顔を赤らめて私の手から食べてくれた原田さんに頬が緩む。
「ね。ありがとうございます、原田さん」