乙女ゲーム夢3
□それならば
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幼い頃からひどく冷めた目で百合子を見ていた。
邪魔者は私の方で、彼女にはなんの罪もないというのに。
「…また行くのかい? 社交界の華さん」
「・・・・・・瑞人お兄様」
ちら、と視線を送ると瑞人お兄様が壁にもたれかかって私を見ていた。
「百合子が、寂しがっていたよ」
「・・・・・・なら、お兄様が隣にいたらいいわ」
すげなく言い捨て、私はお兄様に背を向けた。
―――嫌い。
――――嫌いよ、こんな家。
でも、一番何よりも嫌いなのは、この家を嫌いだと思う私自身。