乙女ゲーム夢3

□かっこかわいい独占欲
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うっかり晴れて林檎ちゃんと恋人同士になってしまった。





そして今日は放課後デート!







「ふふー」




鼻歌まじりに帰り支度をしていると、音也がしゅんと教室にプリントを抱えて入り込んできた。



「どしたの、音也?」


「それがさぁ……明日の配布用にこれ全部仕分けしてホッチキスしてって言われちゃって」


「あー……」


教室の中はもう私たち以外には誰もいない。

音也の抱えるプリントは結構な量で、一人でするにはちょっとつらそう。


―――林檎ちゃんとデートしようって言ってたんだけど。


「・・・・・・手伝うよ、音也!」


「え? でも今日何か予定あるって…」


「いいの、また今度にするし」


そう言って手短にメールを打つ。


『今日は少し用事が出来たからデートはまた今度にしてください』



「ん、オッケー! てきぱきやっちゃお!」


にこっと笑って見上げると、机の上にプリントを並べていた音也がきゅるきゅるした目で私を見つめてきた。



「っ、名無しさんー! ありがとー!!!」


「わっ!」


ぎゅうっと抱き着かれて、なんだか大型犬に懐かれた気分に陥りながらも私はその背中をぽんと叩いた。


「いいって! ほら早くしちゃう」


「うん!」
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