乙女ゲーム夢3
□かわいすぎて
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――――最初はちっせぇなと思ってた。
「・・・・・・」
「おい左之、お前見すぎ」
にやぁっと新八に笑われて、俺はそちらを見ずに「うるせぇよ」と返した。
「ま、気持ちはわからないでもないけどな。かわいいよな」
「おい」
「げ、んな怖い顔すんなって! 俺は狙ってねぇから!」
むぅ、として俺は再び彼女に視線を戻した。
炊事洗濯なんでもござれで一生懸命働いている彼女。
小さいのにちょこちょこ動いててなんとなく目を引くなと思ってた。でも、見始めたら一発で心惹かれた。
「・・・・・・そろそろ限界かもな」
―――見てるだけ、ってのは辛い。
「あ? 何がだ?」
「なんでもねぇよ」
ふと彼女が視線を上げた。
ばちりと目が合って、俺は笑って手を振るんだけど。
「・・・っ」
顔を真っ赤にしてわたわたとしてから、はにかんで笑うんだ。
「・・・・・・」
―――かわいすぎるだろ。
控えめで大人しくて一生懸命で。でも少し自分に自信がなくて、きっと千鶴や他の女を見ては自分と比べて凹んでる。
「一番かわいいのに」
「さっきからぶつぶつ何言ってんだよ、左之!」
「なんでもねぇよ」
教えてやるかよ、あいつがどれだけかわいいかなんて。