うたプリlong夢
□昨日も今日も明日も
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「音くーん! もう走れないよ…っ」
「ええ!? でも頑張らないと遅刻しちゃうよ!?」
「だって〜!」
ひぃひぃ言いながら走っていると前を軽快に走っていた音くんが振り向いて私の手を引いてくれた。
「!」
「もう少しがんばろっ」
音くんはそうやっていつも私の手を引いてくれる。
惜しみない笑顔を浮かべて。
そのたびにその笑顔をまぶしく見つめて思う。
――――音くんはいつまで私の隣にいてくれるんだろう、って。
「音くんと違うクラスだね…」
「成績で分けられちゃうんだっけ? 名無しさんの音、すごいもんね! でも残念だなぁ……」
「うん…」
人見知りする私としては音くんと一緒の方がいいんだけどなぁ…。
しゅんと肩を落とすと音くんがにぱっと笑いかけて私の肩を叩いた。
「けどさ、同じ学校なんだし寮も近いし、ずっと離れてるわけじゃないよ。俺もちょこちょこ顔見せるし食堂とかは同じだもんね!」
励まそうとしてくれてる。それがよくわかって私は無理やり微笑んだ。音くんに迷惑ばかりかけるわけにはいかないや。
「そうだよね。少しさみしいけど、クラスが違うだけだもんね」
「そうだよ!」
だから大丈夫、って音くんが笑ってくれたらすべてうまく行くような気がしてくるから不思議だ。
新生活もうまく乗り切れそうだなって。
「ん、頑張ろう!」
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