うたプリlong夢
□昨日も今日も明日も
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「どうしたの?」
そう声をかけられて顔を上げると、そこに大きな目をくりくりさせた女の子がいた。
自分の状態をどう説明していいのかわからなくて、言いよどんで抱えた膝にあごを乗せると、彼女は視線を合わせてにこっと笑った。
「行こ」
差し出された手。
戸惑うと、彼女は強くないながらも手をぎゅっと握って引っぱった。
警戒からかそこに根が生えたように動かなかった体はわりとすんなりと動いて、彼女に手を引かれるまま、いくつか部屋を通り過ぎて、わいわい声のする広場に出た。
「みんな、一緒に遊ぼう!」
彼女の笑顔と、その声と。
全てがまぶしくて、嬉しくて、俺は目を細めながらこのことを決して忘れないだろうと思った。
――――そして今も、忘れずにずっとずっと憶えている。
彼女に救い上げてもらった心だからこそ、彼女をずっとずっと守って行きたいと。
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