うたプリlong夢

□造花2
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自分の精神が間違った方向へ進みそうになっているのを感じ、何かきかっけがあればこれが暗い愛情に変わってしまいそうな気がして緩く頭を振った。




・・・・・・落ち着け。



彼女を傷つけたいわけじゃない。


まだ君を好きだって、言いに来ただけなんだ。




「座って? お茶淹れてくるから」



ぱたぱたと動き回ってお茶を淹れてくれる彼女を目で追いながら部屋の中を観察する。



「・・・・・・」



彼氏がいるような部屋じゃない。



下着も普通に干してあるし・・・。



「あ、あ! きゃあ! ちょっと待ってちょっと待ってちょっと待ってーーーー!」



「!」


弾かれたように飛んできた彼女が慌てて洗濯物を外して胸元に抱え込んだ。




「みみみみみ見た?」



真っ赤になって恥ずかしそうにする彼女にぷっと吹き出す。




「見ちゃった。かわいー下着」



「あああああ・・・・・・滅多に人来ないから安心しまくっちゃって」





目を潤ませて肩を落とす彼女の言葉を聞いて俺はクッションから腰を浮かせた。



「? あの、林檎く・・・」



「・・・・・・家に呼ぶような恋人は? いなかったの?」




「そ、んな、の・・・・・・」



「いた?」




後ろから彼女を閉じ込めるように壁に手をついて顔を覗き込むと名無しさんが首まで真っ赤に染まった。





「いない、よ・・・・・・ずっと仕事仕事で忙しかったし……」



「大学は? 俺と別れてから何人くらい?」




「っ! そりゃ・・・ちょっと付き合う位なら・・・・・・何人かいた、けど・・・・・・」



「いたけど?」



その答え方に希望を見出して首筋に唇を押し付ける。ふる、と震えた彼女の体を腕に抱え込むと小さな返答が返ってきた。




「けど・・・・・・ちゃんと好き、って・・・・・・思う人は、いなかった・・・・・・テレビで見る林檎くんにくぎ付けだったから……っ!」




「うれしー・・・・・・俺が今日ここに来たのはね、男の役のドラマへの出演が決まったから。そろそろ男に戻ろうかなって」



「林檎、く・・・」


赤く染まった頬に口づける。


ああ、好きだな。その顔。


・・・・・・俺に欲情してた時の顔だね。



「もう一度、やり直させてほしいんだ。俺も・・・・・・ずっと、名無しさんのことが好きだったから」



あごをさらうようにして唇を近づける。


俺を受け入れるために閉ざされた瞳に・・・・・・俺も瞳を閉じた。



(何年経っても君が好き)


2013/2/18
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