うたプリlong夢

□男気全開で君が好き
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私が家に固執するのは私にとっては当たり前のことで、他の人にとやかく言われてもどうしようもないことだった。

















「あほくさ。弟おとーとって、お前の彼氏は俺だろ? なんで弟に遠慮しないといけないんだ?」



たまりかねたように言われた言葉に、私はそっと俯いた。



――――そう言われても仕方ない。





でも。



「ごめんなさい。私がもっと上手くやれたらいいんだろうけど、出来ないから。私にとっては弟はたった一人の家族なの。わかってもらえないのも仕方ないと思う。・・・・・・ごめんなさい、別れよう」



膝の上で組んだ手をぎゅっと握る。



彼だけじゃない。


何度となく繰り返されてきた彼氏との押し問答。






――――どうしても、弟とはいえ母親代わりなのだとわかってもらえない。





事故で両親を亡くして、弟と二人残されて、両親の残してくれた家と保険金で生活してるけど楽なわけじゃない。

そう言うと相手はなんとなく理解した顔をしてくれる。


でも……すぐにいらだった様子を見せる。



私が絶対に早めに家に帰ろうとするから。










沙汰を待つように俯いていると、大きなため息をつかれた。



「はーあ……わぁったよ」



ぴく、と指先が動く。

嫌いなわけじゃなかった。


好きな気持ちも確かにあった。


好きだと言われてうれしかったから、と……安易にうなづいた私が悪いんだろうと思う。



「でもその前に」


「きゃ……っ」


ぐ、っと腕を引っ張って立ち上がらされる。

驚いて見上げると、彼は野卑な笑みを浮かべていた。



「・・・・・・最後にヤらせろよ。昼なら、いいんだろ?」


「――……っ」


心臓をわしづかまれたと思った瞬間、早鐘を打ち始めた。


ショックなんだ、とわかって自分がどれだけ甘かったのかを思い知る。


優しくされても愛してると言われても拭いきれなかった違和感の意味を悟った。



―――この人は、させてくれる女を探してただけだ。



「いや……っ」



「いいから来いって!」




「や……っ!」




店の中だというのに彼はぐいぐいと私を引っ張って出口に急いだ。




店を出て車に乗せられたらもう逃げられない。




さっと血の気が引いたその時、力強い腕に肩を抱きかかえられた。





「おい、女に乱暴するなよ」




「え……」




だれ?




驚く私を無視して、その人はぐっと私の肩を抱き寄せた。





「行くぞ」




「え? ぁ……っ」



力強い腕にうながされて歩き出す。


強引なその腕は、なぜか不快ではなかった。



「待てよ! そいつは俺のかの……っ」


「・・・・・・嫌がる女を無理に連れていこうとしたくせに、何が「俺の彼女」だ、ああ!?」


「ひ……っ」



「っ」



こ、わい……。


身長も高くてがたいもいいし、ケンカ慣れしてそうな雰囲気と目つきに私もどきりとしたけれど、面と向かって睨みつけられた彼の方は私の比ではなかったようで。



傍目に見てもわかるほどにすくみ上って、彼はわき目もふらずに出ていってしまった。




「・・・・・・行くぞ、ほら」


「え? あ……っ」


私に対しては声を荒げるでもなく、その男の人は私の手をそっと握りこむと、店の外へと連れ出した。

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