うたプリlong夢
□あなたのために3
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「今までどこにいたのか聞かないよ。もちろん言ってくれるなら聞きたいけど、言いたくないなら無理には聞かない。ただ、ここにいてくれるだけでいい」
しゃくりあげる体を愛しく思って、なだめるように叩く。
あの頃あんなに大人びて見えて、好きでたまらなかった人。
でも今はこんなに小さくてオレの腕の中にすっぽりおさまってしまう。
それはなんだか不思議な感覚で、でもすごく愛しくて、切ない。
―――ああ、女の子なんだ、と思った。
「レンくん……」
涙に濡れた瞳がオレを見上げる。
彼女の口から洩れる自分の名前。
甘い響きのそれは麻薬の様にオレの思考を溶かした。
ああ、この人が好きだ。
強くゆるぎなくそう思った。
「オレの傍から、もう絶対に離れて行かないで……」
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