うたプリlong夢

□本質を見抜く人
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【1話】






「名無しさん」

「お?」

呼び止められて振り向くと、そこには我がSクラスの秀才一ノ瀬トキヤがいた。










「体調、戻った?」

「ええ。……あの時は助かりました。ありがとうございます」

ぴんと伸びた背中が腰から折れて礼をされる。

「私が勝手にしたことだし、気にしないで」

手をパタパタ振っていると、彼はまじまじと私の顔を見た。




そして一言。










「……同じクラスだったんですね」







「……ケンカ売ってる?」






ちょー失礼!




そう言ってぷくりと頬を膨らませると彼はくすりと笑った。




その顔を見て(あ、笑うんだ……)なんて驚いて。





「呼び止めてすみませんでした」




「あ、ううん。じゃあ」




手を振って教室を出る。



何気に不思議な人だよなあと思った。



でもわかりやすい。




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