うたプリlong夢
□男気全開で君が好き3
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「んー、買い忘れはない、かな?」
買ったものを頭の中で反芻しながら私はショッピングセンターの中を駅に向かって歩いていた。
すると前方から黄色い悲鳴と共に人だかりが見えて、どうしたんだろうと思った。
誰か芸能人でも来てる、とか?
ある程度有名な人であっても自分が分かる自信なんてない。
けど野次馬根性でひょいっと人だかりの中心を見て……凍りついた。
「う、そ……」
龍也さんだ。
龍也さんととても綺麗な女の人が腕を組んで歩いていた。
二人とも楽しそうで、時折女性の方が何かを言っては龍也さんの頬を人差し指でつついている。それを煩わしそうに払いながらも、本気で嫌がってはいなさそうな、顔。仕方ないなって
笑ってる顔。
その表情が自分に向けられるときは嬉しくて仕方がなかったのに。
「……」
『もしこの人が私の隣からいなくなってしまったらどうするんだろう』
足が凍りついたようになって、私は動けなかった。
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