うたプリlong夢
□男気全開で君が好き1
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たった一人の姉ちゃんが連れてきたのはテレビでよく見かける男だった。
「あのね、睦月。私いま、この人とお付き合いをしてて……睦月が嫌じゃなければ婚約しようかと思うの」
まさか!
正直な感想はそれだ。
だって大人しい姉ちゃんがこんな有名な男とどうやって知り合ったってんだよ!?
「はじめまして、睦月くん。俺は日向龍也っていう。あー、俳優をしつつ学校の教師もしてる」
本物だし!
ますます姉ちゃんとの接点が思い浮かばない。
というか十分男前なんだしもっと派手で綺麗な人と付き合えばいいじゃないか。
俺の面倒を見てくれてる姉ちゃんには誰よりも幸せになってほしい。
そう思ってた。今でも思ってる。でも!
でもそれは、こんな形じゃなかったはずだ!
無視して走り去ることも出来ない年齢で、俺はむっとしたまま口を開いた。
「勝手にしなよ。姉ちゃんの人生なんだし」
「睦月……」
ああ…そんな悲しい顔をさせたかったわけじゃないのに。
素直に祝うことも謝ることも出来ない俺はぷいっと顔を背けると自分の部屋へと戻った。
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