遥か夢

□わからない人と焼いた餅
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えぇと……




私は将臣にこの間好きだと伝えて、将臣に「仕方ねぇな」なんてよく分からない了解をもらって付き合いはじめたはずだ。





え?
私の夢とか幻とかじゃないよね?






視線の先には将臣と紫苑の髪の女の子。


美人なんだよね……




いや、私と会う前の知り合いとかさ!



いろいろいるんだろうけど……



将臣も彼女もとても楽しそうにとてもキレイに笑うから。



ちょっと不安、なんて覚えて……



たくましい腕が女の子の頭を撫でる。私にもよくするその動作。



すごく、好き、だったのに……


そんな顔知らない。


そんな、優しくて…愛しくて仕方がないって言ってるみたいな…




「兄さん、いい加減にその人を紹介してくれよ。困ってるだろ」


緑の髪の少年が複雑そうな顔でそう言った。



兄さん?



「あぁ、悪ぃな。譲」




その少年が将臣の弟の譲くんで女の子が将臣の幼なじみの望美さんだと紹介された。



弟なんていたんだ……

私、将臣のこと何も知らない……



「で、こいつは俺が世話になってるとこの娘さん」
「……はじめまして」


あぁ、そっか。


わかった。私があの言葉の意味を取り違えたんだ。



いたい痛いイタイ。









期待してごめんなさい。








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