遥か夢
□苦手な人1
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「きゃあああああ!!!」
生友雅だ!!!
何たる幸運か!!
くるくるくるくる友雅さんの周りをまわる。彼は渋い顔をしている。
……こちらに分かられないようにしようとして失敗しているのだ。
そんなところもかわいいしかっこいい!!
人様のまわりをまわるなんて失礼極まりないと知っていたがそれはそれ、これはこれだ。
「友雅さんて本当にかっこいいですね!!」
思わず頬が染まってしまうほどには。
「……それは嬉しいね。ありがとう、名無しさん殿」
引き攣った笑顔を返される。
……萌えだ。
しかもその声のよさに失神しそうな自分がいる。……しかし好きすぎてこんな事態に陥ってしまったのか。まさか自分がトリップするはめになるなんて思わなかった。
しかも「遙かなる時空の中で」……3が良かったというのは贅沢な主張なのだろう。
「……友雅さんに会えたからいいか」
ぽつりと呟く。
彼は少し不思議そうな顔をしたが笑ってごまかした。