遥か夢
□景時時々眼鏡
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「眼鏡……不便だなあ……」
ぽつりと呟いた名無しさんに景時はきょとんとした視線を投げかけた。
「不便なの、やっぱり?」
「だって……外すと見えないし……でもつけてると邪魔だし……」
「邪魔って……?」
「ん〜〜〜〜……いろいろ」
貴方にキスするときとか、という言葉は言わないでおく。
「ふむ……」
景時は一つ唸るとひょいと名無しさんから眼鏡を外した。
「景時さん?」
「ね、どれくらい見える?」
「へ?」
「これくらい?」
「ちょ」
「もっとかな?」
そう言いながら徐々に徐々に顔をちかずけてくる景時に、ぼやけていた視界が徐々に確かなものになってくる。
「み、見えまし……た」
慌ててピントが合ったところで制止しようと止めるが景時は止まることなくさらに顔を近づけた。
「っ」