遥か夢

□あいくるしい
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「私、ゆきがうらやましい……」










「ん? どうした、名無しさん?」



 都が私の顔を覗き込むようにしてうかがってくる。

「……桜智さん」



「はぁ? あいつがどうしたって?」

「……いいなぁ、と思って」



「はぁぁぁ?」

「都にはわからないか……」



「わからない、って……なんなんだよ?」



「ううん……たぶん否定されちゃうからいいよ」





「あいつを否定? あいつのゆきへの変態っぷりのことだったらいくらでも議論の対象にしてやるぞ? ったく……日記に下着の色まで書いてたらあいつを葬ってやりたくなるぞ……!」





「……いくらなんでもそこまではないんじゃないかな?」




「わかんないだろ!? ナチュラルに変態だからさ、きっと世間一般にいやらしいって言われる行為も普通にやってのけるって、あいつは!」





「………そんなことは………」





 ないって否定できないところが申し訳ない感じもするけど……。








「……いいなぁ……」


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