遥か夢
□仮面夫婦・景時
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「ん……」
うっすらと目を開けると、目の前には気持ちよさそうに眠る景時さんがいた。
「……」
……かっこいい、なあ……。
いつもならあげている髪が寝るときには下ろされてて、別人みたいだなと思うけど……すごく素敵だった。
景時さんはいつも私を抱き抱えて眠ってくれる。
気恥ずかしいけれど、その方が安心して眠れる気がするんだ。
「う……」
身じろいで、景時さんは薄く眼を開け微笑むと私の髪に口づけた。
「……おはよう。名無しさんちゃん」
「おはようございます。景時さん」
朝のこの瞬間が一番幸せだと思う。
私は今確かに幸せで、景時さんとも仲良くしてるし、朔とだって仲良くしてる。でも不満……というか不安なことがあって……。
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