遙か夢弐
□余計なお世話
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「……あの二人、まだっぽいよね」
少し顔を赤らめたまま望美はぽつりとつぶやいた。
どうなの朔、と話を振られて、朔は自分の頬に手を当てた。
「そうね……仲は悪くないみたいなんだけれど、夜の方はさっぱりみたいだわ。兄上ったら」
膝の上にのせた小さな白龍の耳を中途半端に塞ぎながら、望美はため息をついた。
「別に名無しさんさんに魅力がないわけじゃないのにね」
「そうね。それに兄上もまだ若いのだし、二人とももっと積極的になってもいいんじゃないかと思うんだけれど」
困ったように顔を見合わせる望美と朔をきょときょとと見回して、白龍は首を傾げた。
「神子、困ってる?」
「え? ええ、まあ、うん」
「景時と名無しさんがもっと仲良くすればいい?」
「そうだねぇ……」
「わかった! 弁慶と将臣に聞いてくる」
「ああ、うん……えっ?」
生返事をしていた望美は、軽くなった膝とやっと脳みそに届いた内容にぱっと顔をあげた。
しかし時すでに遅し。
白龍はたたっと部屋を出ていってしまった。
「ちょ、白龍!?」
「……行って、しまったわね」
「なんだってそのチョイス……あの二人は駄目だよ、白龍〜!」
「いいわよ、望美。こうなったらなんでもいいから好転してほしいもの」
はぁ、と息を吐き出した朔に望美はそれもそうかと頷いた。
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