乙女ゲーム夢2

□ごめんなさい
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「ごめんなさい」

帽子を取った翔くんになんだかものすごく謝りたい気分になってぺこりと頭を下げた。














「な、なんだよいきなり?」



驚いたようで不思議そうな顔をしている翔くんをちらりと見上げる。




「……言っても怒らないなら言う」



「……怒るようなことなのかよ」




自分の中で何か予想を立てたようで、翔くんの顔がぴくりと引きつった。でもすぐにため息を吐くと自分の胸をとんと叩いた。




「よーし、わかった。何言われても怒らねぇ」





「……ほんと?」




「男に二言はない!」






きりりとした顔で台詞を決められて「おお翔くんかっこいい」とか思いながら私はおずおずと口を開いた。






「今までね、翔くんって頭のてっぺん剥げてるのかなと思ってたの。ごめんね」





だって絶対に帽子かぶってるから、と言い募ると翔くんがものすごくショックを受けていた。




「は、げ……」





「ご、ごめんね?」





びくびくしながら謝るとなんとか立ち直ったらしい翔くんが首を横に振った。





「誤解だってわかったんならいい……怒らねぇって言ったし」





「……翔くん、ほんとに男前」






男気全開だ!






「俺様はいつだって男前だっての!」






「だねえ……翔くんって友達だとすごくいいよね」







「あ?」







「恋人って言うとなんか違う気がするんだけど、友達にするにはものすごくいいかと思う。あ、でも恋人だったとしてもすごくかっこよく守ってくれるんだろうなと思うんだけど」








焦りながらそう告げると、翔くんが口をぱくぱくと開閉させながら真っ赤な顔で叫んだ。








「おおおおおおお前っ! おおおおおおおお俺はっ!」







「?」








「っ! な、なんでもねぇよ……っ!」

























―――――――





(「翔ちゃん、ファイト!」)






(「……これは覗きというのでは?」)








(「野暮なことは言うなよ。というか、まるで眼中なしなのか、それとも高度な駆け引きなのか判断に迷うね」)







(「そんなことはどうだっていいですから、早くレコーディングルームへ行きましょう」)
2012/06/03

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