乙女ゲーム夢4
□想い瞬く
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華ヤカのゲームをクリアして、もう一度イベントに目を通しながら私は肩を竦めた。
「うへぇ、進様ってばすごい二重人格・・・・・・でも、なんていうか普通の人だよねぇ。二重人格さえなければ」
勇様もよかったけど進様のストーリーも好きだったなぁと思いながらゲームを消そうとして・・・・・・白い光が明滅していることに気づいた。
「え? なに・・・・・・!?」
壊れたの、と思ったけれど明滅した光がそのまま大きくなって私を包み込み・・・・・・そのまま意識が途絶えてしまった。
「あれ・・・・・・うわ、大丈夫ですか!?」
巡察帰りに母さんのところに寄るべく歩いていたときだった。
もうすぐ家に着く、というところで倒れている女性を見つけて慌てて助け起こす。
「う・・・・・・」
「見たところ外傷はなさそうだけど・・・」
青白い顔色と、この辺りではあんまり見ない服装をした女性をそっと抱き上げた。
「とにかく家に運ぶか・・・」
運命という気恥ずかしい言葉を使っていいのなら、その時彼女を連れ帰ったことを後々俺は自分自身に感謝することになるんだ。
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