その他夢
□どんぐりの背比べ2
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「……場違いというかなんていうか……」
晴れて堂上くんと恋人同士になった私は、男子寮の堂上くんの部屋に来てほしいと言われてドキドキしながら中を進んでいた。
でもやっぱり男子寮に女性がいるというのが珍しいらしくてすれ違うたび見られてるのがわかって、徐々に恥ずかしさが募ってくる。
自然と足早になってやっとの思いで堂上くんの部屋にたどり着く。
「堂上くん、いる?」
ノックとともの声をかけると中から鍵を外す音が聞こえてドアが開けられた。
この恥ずかしさをどうにかわかってもらおうと開口一番文句を言おうと思っていたのに、口がぱかりと大きく開く。
「わざわざ来させて悪かったな」
私以外にも周りで私がどこに行くのか様子をうかがっていた人たちがぎょっとする気配を感じつつ。
一気に顔が熱くなるのを感じて私はぐるりと踵を返した。
下ははいてる!
でも上半身裸でタオルひっかけただけで髪からぽたぽた水落ちてるし!!
まさかそんなあられもない姿で出てくるとは思っていなかった!
「名無しさん?」
「……っ」
怪訝そうな声で、最近になって呼ばれるようになった下の名前に私は息をつめた。
もうやだ……っ、心臓壊れそう……っ!
「か、帰る……っ」
「は? 来たばかりだろう。とりあえずあがってくれ」
背後から伸びてきた腕が私の腰を抱きかかえるようにして引き寄せた。
「や、ちょ」
真っ赤な顔のまま抗議しようとした私を無視して、堂上くんは部屋の中に私を引き込むとドアをぱたりと閉めた。
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