その他夢
□嫉妬注意報
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「……堂上教官は郁のことが好きなんでしょうか?」
私の問いかけに小牧教官は少し驚いた顔をして、そしてにこりと微笑んだ。
「どうしたんだい、突然?」
「……」
隙のない笑顔に頭が下がる。
机を見つめながら私はぽつぽつと話し始めた。
「堂上教官は、郁のことを目のかたきにしてるわけじゃなくて……気になってるから見てるんだろうなと思って」
「……そう思ったのはなぜ?」
「……王子様みたいなんです」
「ぶっ」
「小牧教官?」
「い、いいから気にしないで。続けて」
突然噴出した小牧教官に首を傾げてたけれど、再び視線が机に戻る。
「郁がピンチになったら絶対に飛んでくるんです……」
言葉の端々から「羨ましい」って感情が浮かんでくる。
恥ずかしいしみっともない。
でも……。
「…君は堂上のことが好きなんだね」
「!」
優しい声にぱっと顔をあげると、同じく優しい笑顔の小牧教官と目があった。
「……」
茶化すような雰囲気でもない。
それに安心して、私はこくりと頷いた。
「……はい」
「うわ、今の笑顔を堂上本人に向けたら絶対に落ちると思うよ」
「え?」
「ふわっと笑う感じがなんとも言えずかわいかった」
「!」
かわ……っ!
「……小牧教官ってたらしですよね」
「堂上の天然には負けるけどね」
「……確かに」
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