その他夢

□殺し文句
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「リンって、大きいなぁ」




「……なんです、とつぜん」




「だって隣に立たれると大きなものさしが入っても足りなさそうだもん」





 キッチンに二人立って夕飯の支度をする。
 最初はなんだか気恥ずかしかったこの時間も、今では慣れてきて。





「大きな背中とか、手とか、身長とか……いいなぁって思って、ドキドキしちゃうの」





「……誘っているんですか?」





「え!? ち、違うよっ! もう……っ」




 真剣な顔で聞かれて私は顔をさっと赤くした。



 まさかそんな返答をされると思ってなかったから顔が熱い。





「残念です」





 くすくす笑うリンにからかわれたんだ、と気づくけど……それに怒るよりも自分に見せてくれるようになったそのさまざまな表情たちに笑みが漏れた。






「どうかしましたか?」





「んーん。なんでもないの」





「……? そうだ、私はあなたの私よりも小さな背丈や、腕の中にすっぽり包めるサイズや、ふわりと笑いかけてくれる顔が好きですよ」





「っ」





 さっきよりももっともっと顔が熱くなって、今は真っ赤なんじゃないだろうかと思う。





「私の言葉にいちいち反応してくれるところも、大好きです」




「……リンって」



「はい?」





「…口下手だと思ってたのに、結構ナンパだよね」





「まさか。あなたにだけですよ」



「……ずるい」




「なんとでも。ほら、早く手を動かしてください」




「……はぁい」











(殺し文句)






2011/10/15

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