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□たしかめて
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「私の角度がおかしいか、立たせてみればわかりますよ」
にっこりと笑って吐かれたそのセクハラ的な言葉をまさか実行されることになるなんて、思ってもいなかった。
「えっと……」
全身で覆いかぶさるようにしてベッドに私をぬいつける柊さんに、おどおどとした視線を向けると、彼はたいそう嬉しそうに笑った。
「……いいですねえ、その瞳。誘っているんですか?」
「……誘ってないです」
「嘘ばっかり。嬉しいくせに」
ちゅ、とこめかみにキスを落とされて甘い空気にくらくらした。
私たちこういう関係じゃなかったと思うんだけど……。
なんで私全部脱がされてるんだろう?
「……それにしてもキレイですねえ。真っ白で、やわらかそうで、子供みたいな肌だ。あなたを抱くことにすこしだけ犯罪を犯しているような危険を感じますよ」
「……じゃあどいてください」
というかいま抱くって言った!?
まぁ脱がされてなにもないと思ってるほど初ではないけど……でも柊さんはここまで手のこんだ嫌がらせをしそうな気がして信用できない。
「……まさか。私がもうビンビンなの、感じているでしょう?」
「……!」
き、きわどいセリフもう通り越してない!?
もうアウトなセリフじゃない!?
くっと腰をお腹に押し付けられて、かーっと顔に熱がのぼる。
「……柊さんは脱がないんですか?」
「おや……そんなに乗り気になってくれていたんですか? 気付かなくて」
「ちが……っ! ……だってずるいじゃないですか、私だけ脱いでるの……」
それに……さっきからラインを確かめるようにさわさわと私の体の上を這っていくてのひらがもどかしい刺激を送ってきていて正直もっとちゃんとした刺激が欲しいと思う。
「やぅっ」
とつぜんきゅっと胸を下から持ち上げられて谷間を作られた!
「な、な……っ!」
「ああ……あなたって、童顔ですのにいやらしい体つきをしていますよねえ。その小ささでこんなに胸が大きいなんて」
「し、下から持ち上げるのやめてください〜!」
ふつうにもまれるのよりも羞恥が激しくて、抗議したんだけど。
「あっ! やっ! はぁぅ……っ!」
な、なんでゆさゆさ揺らすの!?
柊さんの手に揺さぶられて胸が私の体の上でぶるぶる揺れた。
は、はずかしすぎる!
「んっ、ふぅっ」
「……小さければ大きくする楽しみもあるんですけれどもねえ。寝ていて横に流れているはずですのに、こんなに余っているなんて、私の手でもあふれていますよ?」
くすくすと笑いながら柊さんは手の中でむにゅむにゅと形を変える胸を楽しむように飽きもせずに揺らし続ける。
……じ、焦らされてる気がする……!
「やぁっ」
「いや? 嘘ばっかり……喜んでいるようですよ? ほら、立ってきた」
くりくりと人差し指で乳首をこねまわす。ときおり爪がひっかかって、そのたびにびくりと体を揺らした。両方の乳首をそんな風に刺激されて、声を漏らさないようにするのに必死だった。
「んっ、んっ、ぁ……っ!」
「かわいらしいピンク色でしたのに、どんどん赤く色づいてきましたよ?」
「い、わないで……っ! あぅっ」
親指と人差し指でこねるように、押しつぶすように乳首をいじられる。……下が濡れてきているのを感じてしまって、私は両足をすり合わせた。
気持ちいい……でももどかしい。
「うん……っ!」
かみつくように唇を奪われる。
舌と舌を絡みあわせるようにあごを掴んで口を開くように強制される。なにかほかの生きものみたいに柊さんの舌は私の口の中を好き勝手にいじりまわした。
「んふ……っ」
ぷちゅ、くちゅ、
「は……っ、まるで、入れてかきまわしているような音が出ますね、上の口ですのに」
「!!!」
へんたい!
と叫びたいのに叫んだら一巻の終わりな気がして口の中でとどめた。
「……脱がないんですか」
「脱いでほしいみたいですねえ。そんなに私の尻が見たいんですか?」
「な、なんでお尻……だって私だけ脱がされてるのがいやなんです! さっきも言いました!」
「ふふ」
私の訴えに柊さんが満足そうな笑みをうかべた。
「……私はしっかり服を身につけているのに、あなただけが乱れていると言うのが……とてつもなくいやらしくてそそられるんですよ」
だから脱ぎません、と言われて愕然とした。
ずるい!
と叫ぼうとしたのに再開されて声がのどの奥に消えてしまった。
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