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□いとしくて
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「お互い様ですよねえ」







 すこし残念そうに吐き出された言葉に私は首をかしげた。



「なにがですか?」



 バスローブの上からきゅっと腰に抱きつかれて胸が高鳴る。

「……俺はあなたのはじめての相手じゃないし、あなたも俺のはじめての相手じゃないことです」

「まぁ……」


 この歳になると一度くらいは、経験がある。流聖さんならなおのこと場数踏んでいるんだろうなぁと思うけど。




「……おどろきました」

「え?」

「流聖さん、そういうことこういう雰囲気の中で言う人だったんですね?」

 無粋だ、とか言ってそうなのに。

「……いつもなら言わないんですがね。なんでだろうな……あなただと、言いたくなってしまったんですよ」

「……それは、喜んでもいいですか?」

「ええ、もちろんです」

「……ありがとう」

「……」

「んっ」

 すこし見つめあった後で、唇が合わさった。

 やわらかくはまれてついばまれ……舌が口内に滑り込む。

「ふ……んぅっ」

 キス、してるだけなのに……!





 くちゅ……






「んんんっ!」

 音がなるのがはずかしくて抵抗すると、流聖さんは私の両手を片手でつかみ上げてしまった。


「や……っ」


「ダメですよ? 待ったはなしです」


 欲情した瞳で、それでも大人の色を宿したままの流聖さんに、なんだかひどくずるいと感じた。


 やさしくベッドに横たえられる。


 なだめるように髪をすかれて、唇が首筋を這った。

「は……! ぁ……っ!」

 ときおり吸いつかれて赤い花を散らされる。

「あ!」

 バスローブがはだけられてやわらかさをたしかめるように胸をもまれる。すこしごつめの流聖さんの手の中で形を変える自分の胸がいやらしくて、私は視線をそらした。


「ふぅ……ん……!」


「声、我慢しないでくださいよ……あなたの声が聞きたい」


「だって……あぁっ」


 胸の突起をこりこりと摘ままれて、片方の胸には唇で愛撫される。ざらりとした舌に突起を舐められ、ちゅぅ、と吸われた。
 唾液にぬれて赤く立ち上がる乳首に私は顔を赤くしながら、目をそらしたいのに見てしまう羞恥に自分でもどうしたいのかわからなくなった。


「んん!」


 両方の胸を愛撫されて、私は腰をびくびくとはねさせた。


「あ! あふ……っ、流聖、さん……!」


「……かわいいですよ」


 ちゅ、と軽くキスをされて、流聖さんの手が私の足の間に滑り込む。反射的に閉めそうになったんだけど、それを咎めるように流聖さんは乳首をかりりと歯で噛んだ。


「はぁ……!」


「その調子です。鳴いてください」


 うれしそうな流聖さんの声が聞こえて、喜んでくれるなら声をあげてもいいんじゃないかともやのかかった頭で考える。
 でも……はずかしいし。


「きゃっ!」




 くちゅ




「……うれしいな、こんなに濡れて俺のことを待ってくれてますよ」


 うっとりと囁いて流聖さんはそこに顔を伏せた。


「!? ちょ、流聖さん!? ふぁっ!」


 突起も中も、関係なく侵入してくる舌に腰がびくびくとはねまわる。


 ときおりふとももにあたる流聖さんのひげまでもが刺激になって……気持ち、いい!



 くちゅん!



「んぁ!」

 指が中に入ってきた。


「ん……もしかして、最近あまり使ってなかった? きつい……」

「ば、か……っ!」

「男はみんなバカだと思いますよ?」

 流聖さんは嬉しそうにそう言って中で指をくいっと曲げてきた。


「きゃぅっ! ふぁっ、あああああっ、ん……っ」


 ぐちゃぐちゃと繊細なんだけど激しく動かされてびくびくと腰がはねる。中を擦るのと同時に芽もつままれて押しつぶされる!



「くぅん……っ、ふぁっ」



「ぅ……すみません、やさしくできないかもしれない……っ!」


 立ち上がった赤黒いものを性急に秘部に擦りつけられて腰が引いた。



「ま……っ!」


「……待てません……っ」


 ダメですか、と切なげに聞かれて止めるのすら申し訳なくなってしまった。でも……



「あ、あの」


「なんです?」





「……まだ、入れるのはちょっと怖いので……く、口じゃダメですか!?」




 真っ赤になりながら吐きだしたその言葉に流聖さんはおどろきながらも破顔してくれた。
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