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□暗闇の幸せ
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「ん、んぁ……っ、ひぁあああ」


びくびくと腰が跳ねる。
小さく体をちぢこませても快楽の度合いは小さくならなくて私は涙ににじむ視界で燃えるような髪の青年を見上げた。



「名無しさん、名無しさん……っ! 好きだ、好きなんだ、愛してる……っ」



病的なまで吐き出される愛の言葉にくらくらと眩暈を覚えた。

どうして。


どうしてそんなに愛の言葉をくれるんだろう。






















「名無しさん、今日は調子はどうだい?」


「ヒノエさん! だいぶいいです。さっき弁慶さんがはちみつレモンを作ってきてくれたの」


「ふぅん、弁慶が、ね」


「ヒノエさん?」


「・・・・・・なんでもないよ。さ、俺からもお土産だよ。のどにいいし食欲がなくても食べられるなと思って・・・・・・水飴さ」



「わぁ! ありがとうっ」



ニコリと笑ってお礼を言うと、ヒノエさんが私の頭を一撫でした。


「よかったら、お礼にお前の歌を聞かせてくれないか?」



「もちろんです」



ふんわりと微笑んでサンゴのような唇から紡ぎだされたのは天女の歌声。
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